iPhoneのビデオ撮影設定の選び方

「ストレージがいっぱいです」の通知に追われていませんか。原因の多くは動画です。撮影設定を用途に合わせて見直すだけで、体感の画質をほとんど変えずに容量を数分の一にできます。

設定はどこにあるか

iPhoneの「設定」→「カメラ」→「ビデオ撮影」を開くと、解像度とフレームレートの組み合わせが一覧で表示されます。各項目の下に1分あたりのおおよその容量が書かれているので、実はこの画面を見るだけでも判断材料になります。

その一つ上の階層にある「フォーマット」では、「高効率」と「互換性優先」を選べます。こちらは圧縮方式の設定で、容量に倍近い差が出ます。

解像度とフレームレートで容量はどれだけ変わるか

以下はiPhoneの設定画面に表示される、1分あたりの容量の目安です(「高効率」設定の場合)。

設定1分あたり10分あたりひとこと
720p HD・30fps約40MB約400MB記録用。画質にこだわらないなら十分
1080p HD・30fps約60MB約600MBいちばん無難なバランス
1080p HD・60fps約90MB約900MB動きの速いものを撮るなら
4K・24fps約135MB約1.35GB映画的な質感を狙うとき
4K・30fps約170MB約1.7GB大画面で見る前提なら
4K・60fps約400MB約4GB用途は限られる。容量を最も食う

注目したいのは4K・60fpsだけが極端に大きいことです。1080p・30fpsの約7倍。10分撮れば4GBで、これは32GBのiPhoneなら残り容量の大半を一本で使い切る量です。

解像度:4Kが活きる場面は限られる

4K(3840×2160)はフルHD(1920×1080)の4倍の画素数を持ちます。ただし、その差が見えるかどうかは再生する画面の大きさと距離で決まります。

  • スマホの画面で見る —— そもそも多くのiPhoneの画面はフルHD前後の表示能力しかありません。4Kで撮っても縮小して表示されるため、差はほぼ分かりません
  • SNSに投稿する —— 投稿時にサービス側で再圧縮されます。4Kのまま届くことはまずないため、意味がありません
  • LINEやメールで送る —— 圧縮されるうえ、容量が大きいと送信自体に失敗しやすくなります
  • 大画面テレビで見る —— ここは差が出ます。4Kテレビに映すなら4Kの価値があります
  • 編集して一部を切り抜く(クロップ) —— 4Kで撮っておけば、一部を拡大してもフルHD相当の画質を保てます。編集する前提なら4Kは有効です

つまり、大画面で見るか、編集で切り抜くか。この2つに当てはまらないなら、4Kで撮る理由はほとんどありません。

フレームレート:60fpsが必要なのは動きの速い被写体だけ

フレームレートは1秒あたりのコマ数です。映画は24fps、テレビ放送は30fpsで作られています。つまり30fpsは、私たちが普段見慣れている滑らかさです。

60fpsが活きるのは次のような場面です。

  • 子どものスポーツ、ペットが走り回る様子など動きの速い被写体
  • あとからスローモーションにしたいとき(コマ数が多いほど滑らかに引き伸ばせる)
  • カメラを大きく振る(パンする)撮影

逆に、風景、食事、室内での会話、発表会の記録といった一般的な撮影では、30fpsで撮って困ることはまずありません。容量は3割ほど軽くなります。

豆知識:24fpsは「映画っぽい」質感になります。1コマあたりの時間が長いぶん動きに自然なブレが残り、これが映画的な印象を生みます。旅行の風景を雰囲気よく残したいときは4K・24fpsという選択もあります。

フォーマット:「高効率」のままでよい

「高効率」は動画をH.265、写真をHEICで保存する設定で、容量が半分程度で済みます。「互換性優先」はH.264とJPEGで、どんな機器でも開けます。

おすすめは「高効率」のまま使うことです。撮影時点で互換性優先にすると、人に渡す予定のない動画まで倍の容量を消費してしまいます。Windowsのパソコンに移すときや家族に送るときだけ、あとから変換すれば十分です。両者の詳しい違いはH.264とH.265(HEVC)の違いで解説しています。

用途別のおすすめ設定

撮るものおすすめ設定理由
日常の記録・メモ1080p・30fps容量と画質のバランスが最もよい
子どもの発表会・行事1080p・30fps長時間になりやすいので容量優先。テレビで見るなら4K・30fps
運動会・スポーツ1080p・60fps動きが速く、スローにしたい場面も多い
旅行の風景4K・24fps または 1080p・30fps大画面で見返すなら4K。SNSに上げるだけなら1080p
フリマ出品用の商品動画720p・30fpsスマホで見られる前提。軽いほど閲覧されやすい
編集して作品にする4K・30fps切り抜きや手ブレ補正の余地を残せる

「高画質で撮って、あとで小さくする」という考え方

ここまで「必要以上の設定で撮らない」話をしてきましたが、公平に言えば逆の考え方もあります。撮り直しがきかない一度きりの場面なら、高画質で撮っておくという判断です。画質は落とすことはできても、上げることはできません。

この場合の運用はこうなります。

  1. 大事な場面は4Kで撮る
  2. 撮影後、人に送るぶんや日常的に見返すぶんは圧縮して軽くする
  3. 原本はパソコンや外付けドライブに移し、iPhoneからは消す

当サイトの動画圧縮ツールは、目標サイズを指定するだけで解像度・ビットレートを自動調整します。処理はすべてブラウザ内で行われ、動画がサーバーへ送信されることはありません。家族の動画や仕事の記録でも安心して使えます。

今すぐ容量を空けたいときの順番

  1. 大きい動画から探す —— 「設定」→「一般」→「iPhoneストレージ」で、容量を食っているアプリと動画が確認できます
  2. 不要な動画を消す —— 撮り損ねた動画、同じ場面の連写、スクリーン録画は真っ先に候補です
  3. 残すものは圧縮する —— 見返す用途なら1080p相当まで落として問題ありません
  4. 「最近削除した項目」を空にする —— 削除してもここに30日間残るため、これを消すまで容量は空きません
  5. 撮影設定を見直す —— 同じことを繰り返さないために

よくある質問

Q. 撮影設定は後から変えられますか?
A. 設定はいつでも変更できますが、すでに撮影済みの動画の画質が変わるわけではありません。設定は「これから撮る動画」に適用されます。
Q. 4Kで撮ってしまった動画を小さくできますか?
A. できます。解像度を落として圧縮すれば、容量を数分の一にできます。ただし一度落とした画質は元に戻せないので、元ファイルは残したまま作業してください。
Q. 「シネマティックモード」や「アクションモード」は容量が変わりますか?
A. 変わります。どちらも通常より多くの情報を記録するため、同じ長さでも容量が増えます。特にシネマティックモードは背景ぼかしの深度情報も保存するため大きくなります。
Q. ProResは使うべきですか?
A. 編集を前提としたプロ向けの設定で、4K・30fpsでは1分あたり約6GBにもなります。本格的な映像制作をしないかぎり、通常の設定で十分です。

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