サイズを決める4つの要素
① 解像度(画面の細かさ)
解像度は映像を構成する点(ピクセル)の数です。フルHD(1920×1080)は約207万画素、4K(3840×2160)はその4倍の約829万画素。4KはフルHDの4倍の情報量を持つため、ファイルサイズもおおよそ数倍になります。スマホやパソコンの画面で見るだけなら、フルHDとの違いはほとんど分かりません。
② フレームレート(1秒あたりのコマ数)
動画はパラパラ漫画のように静止画を連続表示しています。1秒あたりのコマ数がフレームレート(fps)で、映画は24fps、テレビは30fps、最近のスマホは60fpsで撮れるものもあります。60fpsは30fpsの2倍のコマ数なので、その分サイズも増えます。スポーツなど動きの速い被写体でなければ30fpsで十分です。
③ ビットレート(1秒あたりのデータ量)
サイズに最も直結するのがビットレートです。動画のファイルサイズ ≒ ビットレート × 再生時間という単純な掛け算で決まります。たとえば10Mbps(1秒あたり約1.25MB)の動画が1分あれば約75MBです。同じ解像度でもビットレートを半分にすればサイズも半分になりますが、下げすぎると映像がモザイク状に崩れます(ブロックノイズ)。
④ 圧縮方式(コーデック)
映像は「H.264」「HEVC(H.265)」といった方式で圧縮されています。新しい方式ほど圧縮が上手で、HEVCはH.264の約半分のサイズで同じ画質を実現します。ただし新しい方式は再生できる機器が限られるという弱点があり、iPhoneのHEVC動画がWindowsで開けないのはこれが理由です(詳しくはMOV→MP4変換ページの解説へ)。
スマホ撮影動画のサイズ目安
| 撮影設定 | 1分あたりの目安 | 10分あたりの目安 |
|---|---|---|
| HD(720p)・30fps | 約40MB | 約400MB |
| フルHD(1080p)・30fps | 約60MB | 約600MB |
| フルHD(1080p)・60fps | 約90MB | 約900MB |
| 4K・30fps | 約170MB | 約1.7GB |
| 4K・60fps | 約400MB | 約4GB |
※iPhoneの「高効率(HEVC)」設定で、設定画面に表示される目安値です。「互換性優先(H.264)」ではおおよそ1.5〜2倍になります。撮影する内容によっても変動し、細かい模様や激しい動きが多いほど大きくなります。設定の選び方はiPhoneのビデオ撮影設定の選び方で詳しく解説しています。
同じ設定でもサイズが違う理由
「同じ1080p・30fpsで1分撮ったのに、片方だけ倍の大きさになった」——これはよくあることで、故障ではありません。最近のカメラは映像の内容に応じてビットレートを変える(可変ビットレート)ためです。
コーデックは前のコマとの差分を記録して圧縮します。つまり変化が少ない映像ほど、記録すべきデータが減ります。
| 映像の内容 | サイズ | 理由 |
|---|---|---|
| 三脚に固定して撮った会議・インタビュー | 小さい | 背景がほぼ動かないので差分が少ない |
| 室内で人が話している様子 | 小さめ | 動くのは人物だけ |
| 歩きながら撮った街の風景 | 大きい | 画面全体が毎コマ変わる |
| 風に揺れる木々、水面、雨、花火 | とても大きい | 細かい模様が予測できない動きをする |
逆に言えば、カメラを固定するだけでファイルサイズは目に見えて小さくなります。手ブレはサイズにも画質にも効いてくる、いちばん身近な要因です。
画質をなるべく保ったまま小さくするには
仕組みが分かると、サイズを小さくする方法は「①解像度を適正にする」「②多すぎるコマ数を減らす」「③ビットレートを必要十分まで下げる」の組み合わせだと分かります。ポイントは見る環境に合わせることです。スマホの画面で見る動画に4K・60fpsは過剰で、HD〜フルHD・30fpsに整えるだけで、見た目の印象をほぼ変えずにサイズを数分の1にできます。
効果の大きい順に並べると、次のようになります。
- いらない部分をカットする —— 効果は絶大で、しかも画質はまったく落ちません。5分の動画のうち必要なのが1分なら、それだけで容量は5分の1です。圧縮より先に、まずこれを検討してください
- 解像度を落とす —— 4KからフルHDにするだけで、情報量は4分の1になります。スマホで見るなら違いはほぼ分かりません
- ビットレートを下げる —— サイズに直結します。ただし下げすぎるとブロックノイズが出ます
- フレームレートを下げる —— 60fpsを30fpsにすると3割ほど軽くなります。動きの速い被写体でなければ違和感はありません
- 圧縮方式を変える —— H.265にすれば理屈のうえでは半分になりますが、再生できる機器が限られるため、人に渡す動画には向きません
当サイトの動画圧縮ツールは、②〜④の調整を自動で行います。目標サイズを指定すると、動画の長さから逆算して最適なビットレートを計算し、解像度とフレームレートも適正値に整えます。もちろんブラウザ内で完結し、動画がサーバーに送信されることはありません。
圧縮でやってはいけないこと
何度も圧縮を繰り返す
圧縮は、いったん映像を展開してから圧縮し直す処理です。繰り返すたびに劣化が蓄積します。「もう少し小さくしたい」と圧縮後のファイルをさらに圧縮するのではなく、元のファイルに戻って、最初から目標サイズを指定し直すほうがきれいに仕上がります。
元ファイルをすぐ消す
圧縮で失われた情報は戻りません。あとから「もっと高画質が必要だった」となっても手遅れです。圧縮後のファイルが用を足したと確認できるまで、元ファイルは残しておいてください。
長い動画を極端に小さくする
10分の動画を10MBにすれば、1秒あたりに使えるデータは極端に少なくなり、見るに堪えない画質になります。「長さ ÷ 目標サイズ」が厳しすぎないかを先に考え、無理なら圧縮ではなくカットを選んでください。